日本ユダヤ学会第18回学術大会のお知らせ

今年はオンライン(Zoom)と学習院女子大学における対面のハイブリッド形式で、日本ユダヤ学会学術大会を開催いたします。本学会もポストコロナにむけ、対面での学会実施へと順次戻してゆきます。
学習院女子大学にて参加をご希望される方は、学会事務局武井まで(ayaka.takei(アットマーク*変換してください)gakushuin.ac.jp)事前にご連絡ください。
*zoomのURLは会員のみなさまに連絡済みです。

プログラム

日時:2021年10月31日(日)13:00~16:10

13:00~13:05 開会の挨拶(市川理事長)

13:05~13:35 長塚織人(東京大学大学院総合文化研究科)
「現代におけるユダヤスペイン語(ラディーノ語)の言語および文献研究の展望とその可能性(の中心)——「言語の死」を越えるデジタル・コミュニティの形成を目指して」
本発表は近現代までのユダヤスペイン語(ラディーノ語/ジュデズモ語)の言語学的・文献学的な展望と、その新たな可能性について考察する。ユダヤスペイン語は様々な理由から研究に困難を抱え、話者の言語的同化傾向も強く、「言語の死」の一例となると言われてきた。しかし近年インターネットの発達とデジタルアーカイブ化を通じ、その研究・文化活動が本格化している。本発表はユダヤスペイン語の特徴とセファルディの現況についても概観し、その研究に関する問題を提起し、更なる可能性に向けて考察を行いたい。(司会:武井彩佳)
13:35~13:50 質疑応答

13:50~14:20 保井啓志(東京大学大学院総合文化研究科)
「シオニズムにおける動物性と動物の形象:マックス・ノルダウの近代化論を中心に」
西ヨーロッパの反ユダヤ主義においては、ユダヤ人は、蛇や害虫など、しばしば非人間の動物と喩えられてきたが、シオニズムにおいてこのような動物の表象とユダヤ人の交差性はいかに克服されるものとして位置付けられていたのだろうか。本報告では、初期のシオニストの一人であるマックス・ノルダウやショアーにおける言説を取り上げ、動物性及び動物の形象が、いかにシオニズムを正当化する比喩として用いられてきたかの歴史的変遷について考察する。(司会:鶴見太郎)
14:20~14:35 質疑応答

14:35~14:40 休憩

14:40~15:10 犬塚悠太(東京大学大学院人文社会系研究科)
「エリ・サダンの思想:現代の宗教シオニズムとその特徴」
本発表は「メヒナ」(イスラエル国において兵役前の青年教育を行う教育機関)を設立したエリ・サダンに注目し、彼の思想の特徴を示すものである。彼を取り上げる理由は、「メヒナ」の卒業生の多くがイスラエル国防軍の将校になっていること(社会的影響力の強さ)、加えて彼が「宗教シオニズムの父」とされるアブラハム・クックにより設立された「メルカズ・ハラヴ・イェシヴァ」において学んだこと(宗教シオニズムの思想系譜に連なる)が挙げられる。彼の思想が宗教シオニズムの系譜の中にいかに位置づけられるか、あるいは軍隊や国家といったアクターをどのように捉えているのかという点を軸に、現代の宗教シオニズム思想の特徴を明らかにする。(司会:志田雅宏)
15:10~15:25 質疑応答

15:25-15:55 河合竜太 (同志社大学大学院文学研究科博士後期課程)
「ユダヤ体操連盟(1903-1921)の創設と展開――トランスナショナルな側面に注目して―」

19 世紀後半以降、ヨーロッパではユダヤ系団体の国際的組織網の形成が進展した。国際 的な組織としては、これまでユダヤ人難民の支援を目的とした慈善組織が注目されてきた。 それに対して本報告は、20 世紀初頭に創設された国際組織ユダヤ体操連盟を対象とする。 体操とスポーツの普及を目的とした当連盟は、中欧・東欧諸国において居住者の身体の健康 の改善を目的としていた。当連盟の事例は、同化と解放後のヨーロッパ社会に居住したユダヤ人の間で形成される国境を越えた連帯について、理解を深めることに貢献するであろう。
(司会:高尾千津子)
15:55~16:10 質疑応答

2021年度第18回学術大会の発表者を募集いたします

2021年10月31日(日)に第18回学術大会を開催いたします。
*今回はzoomによるオンラインでの大会となる予定です。

発表ご希望の方は、仮題と200字程度の要旨を2021年9月10日(金)までにayaka.takei(アットマーク)gakushuin.ac.jp(武井)宛にメールでお送りください。
件名に「日本ユダヤ学会学術大会発表希望」と記載してください。


発表時間は発表者数によりますが、25分~30分の予定です。発表をお願いするかどうかの決定は理事会にご一任いただき、結果は9月30日までにお知らせいたします。
非会員の方も会員のご紹介があれば発表できますので、お心当たりの方がいらっしゃればお声をかけてくださるようお願いいたします。

2021年度公開シンポジウム「コロナ禍のユダヤ人社会」

公開シンポジウム『コロナ禍のユダヤ人社会』

日時:2021年7月4日(日)14:00-17:30

開催方法:オンライン(zoom)

14:00-14:10 開会の辞(市川会長)
14:10-14:55 アダ・タガー・コヘン(同志社大学)
“Judaism in time of COVID-19: why couldn’t Ultra-orthodox Jews comply
with the pandemic
restrictions?”「コロナ禍のユダヤ教:超正統派ユダヤ人はなぜ感染防止対策に従うことが出来なかったのか」

本報告では、ユダヤ教における超正統派(Ultra-Orthodoxy)の創出の歴史を簡潔に描写し、近代化された世界とこの共同体がどのように邂逅したのかについて、その主要な論点を説明する。その邂逅は、彼らがひとつの世界観を構築する要因となった。その世界観とは、ホロコースト以後、ヨーロッパの失われたユダヤ人共同体を再建すべく、宗教的な献身とたくさんの子どもを産むことを奨励したラビたちによって指導された閉鎖的な共同体をその中心とするものであった。また、報告の後半では、昨年から今年の前半にかけて、イスラエルのユダヤ教超正統派の共同体がパンデミックに対してどのように反応したのかを見てゆく。*本報告のみ英語にておこなわれる(日本語訳原稿付き)(質疑応答15分)

14:55-15:40 天野優(日本学術振興会特別研究員PD)
「パシュケヴィル(張り紙)から垣間見る超正統派社会とパンデミック」

本報告では、パンデミックが収束に向かいつつあるエルサレムの様子を伝えるとともに、携帯電話やパソコンといった現代技術を忌避する超正統派社会の情報伝達媒体として、未だ重要な役割を果たしているパシュケヴィル(張り紙)を取り上げる。超正統派が多く暮らす地区で2021年2月以降に収集したパシュケヴィルを例に、パンデミックとその影響がどのように言及されているのかを提示したい。(質疑応答15分)

休憩10分 (15:40–15:50)

15:50-16:35 志田雅宏(東京大学)
「コロナ禍での宗教生活:オンライン・レスポンサを中心に」

ユダヤ教世界では、規範(ハラハー)にもとづいた生活を実践するための制度としてレスポンサ(回答書簡)がある。信仰者のさまざまな質問にラビたちが法的見解を示すことで生活を指導するレスポンサは中世以来の伝統的な制度であり、コロナ禍においてもオンライン・レスポンサとして重要な役割をはたしている。本報告ではいくつかの重要な主題についてのレスポンサを紹介し、現在のユダヤ教世界における宗教生活上の問題意識の所在や、「災い」や「生命」に対するとらえ方などを明らかにしていきたい。(質疑応答15分)

16:35–17:30 全体討論

*当シンポジウムは無料です。

非会員の方は事前申し込みが必要です。以下のフォームから申し込みをお願いいたします。

https://forms.gle/gKPJiFYG83XX51xr7

2021年関西研究例会

日本ユダヤ学会
関西研究例会

日時 2021年3月14日(日)15時00分~17時00分
会場 Zoom(URLは会員にのみ配布済み)

15:00~15:05 開会の挨拶(市川 会員)

15:05~15:45 大澤 香 会員
「創造主としての神と古代イスラエルのアイデンティティ形成」
古代イスラエルにおける創造の概念と捕囚の出来事との関係が指摘されている。
本報告では、創造主としての神と共に言及される自然界の描写の変遷と
古代イスラエルのアイデンティティ形成について検討する。

15:45~16:00 質疑応答

16:00~16:40 久木 正雄 会員 
「スペイン同君連合下のポルトガルにおける新旧キリスト教徒の分断と同化」
近世のポルトガルには、先祖代々のカトリック信徒である「旧キリスト教徒」と、
ユダヤ教からカトリックへの新規改宗者とその子孫である「新キリスト教徒」が存在した。
本報告では、スペインとの同君連合(1580~1640年)の下で
ポルトガル現地に敷かれた諸統治機構からスペイン宮廷への上申書を主な使用史料として、
この時期のポルトガルにおける新旧キリスト教徒間の関係を検討する。

16:40~16:55  質疑応答

日本ユダヤ学会 2019年度活動報告

I 公開シンポジウム・研究例会
2019年5月25日(土) 12:00~理事会 13:00~総会(学習院女子大学)
14:00~ 公開シンポジウム「エルサレム ―聖都をめぐる政治―」
辻田俊哉氏「エルサレムをめぐるイスラエルの政策動向」
  臼杵陽 会員「イスラーム的エルサレムの現在」
並木麻衣氏「パレスチナ人住民の立場から:聖都エルサレムが抱える課題と展望」

2019年7月27日(土) 13:00~理事会 15:00~研究例会(学習院女子大学)
鈴木重周 会員「ナントのシュウォブ家にみる第三共和政期のユダヤ系フランス人」

2019年12月1日(日) 14:30~ 関西研究例会(同志社大学)
石黑安里 会員「1910~1920年代のアメリカにおける『シオニズム』の多義性」
北彰 会員「パウル・ツェランのブカレスト詩編」

II 学術大会
2019年10月26日(土) 12:00~理事会 13:00~ 第14回学術大会(学習院女子大学)
大澤耕史 会員「古代世界のユダヤ教の境界意識――「異教徒」「背教者」を中心に」
袁浩春氏「モーセをめぐるユダヤの聖書解釈——出エジプト記2章11、12節を中心に」
神田愛子 会員「人の創造物語から見たマイモニデスにおける質料と形相の概念」
青木良華 会員「ヴォロジン・イェシヴァ考察――ミトナグディーム揺籃の場」
平岡光太郎 会員「マルティン・ブーバーとゲルショム・ショーレムによる聖性についての論争――ハスィディズム理解を中心に」

III 会誌の刊行
12月に『ユダヤ・イスラエル研究』第33号を刊行

IV 2019年度入会者・退会者(敬称略)
 入会者:富塚祐、鈴木啓之、福山弘泰、久木正雄、細田和江(再入会)
退会者:平松虹太郎(自動退会)
 
2020年4月1日現在:正会員100名、 学生会員16名、 計116名

日本ユダヤ学会第17回学術大会開催(オンライン)のお知らせ

日本ユダヤ学会第17回学術大会
日時:2020年11月15日(日)13:20~17:00
会場:zoomによるオンライン開催

第17回学術大会プログラム
13:20~13:30 学術大会開催のあいさつ (学会理事長:市川裕)

13:30~14:00 菅野和也ソロモン(京都大学大学院)
「ユダヤ・アラビア語形成期におけるカライ派の役割: サロモン・ベン・イェロハムによる詩篇翻訳および註解から」

概要:ユダヤ・アラビア語文化の様相を語るうえでカライ派の存在は欠かせない。ヘブライ語原典を重んじた同派は9世紀後半から11世期中頃にかけてパレスチナで活動した。ラバン派ユダヤ教との論争のなかで、彼らはヘブライ語の研究だけでなく、アラビア語による翻訳と註解に注力し、ユダヤ・アラビア語文学の確立に寄与している。本発表は、サアディア・ガオンと同時代のサロモン・B・イェロハムによる詩篇翻訳と註解を通して、ユダヤ・アラビア語の形成期におけるカライ派の役割を考察する。
14:00~14:15 質疑応答

14:15~14:45 平田文子(埼玉工業大学)
「第三共和制の世俗学校計画とデュルケームのユダヤ教思想:世俗性と宗教性の狭間で」

概要:フランス社会学の祖とされるエミール・デュルケームは、フランスの公教育制度成立期に世俗道徳論を確立した人物である。そのため彼の道徳教育論は長い間、「宗教に依らない道徳論」として紹介されてきた。しかし、私は、彼の著作の殆どがユダヤ教思想を基盤としていると考えている。特にユダヤ教に見られる現実主義的・世俗主義的な宗教観が、政教分離による公教育制度成立を目指す第三共和制の施策と一致して、デュルケームが「世俗道徳論」を確立する役に選ばれたと考えている。本発表ではユダヤ教を棄てたと論じられてきたデュルケームが、実はプライベートにおいてはユダヤ教徒として生きぬいた証となる資料を提示し、彼の世俗道徳論が第三共和制の教育改革を担ったルイ・リアールやフェルディナンド・ビュイッソンの思想と一致した社会的・思想的背景を述べる。
14:45~15:00 質疑応答

15:00~15:10 休憩
特別報告 現在のヨーロッパ社会(ポーランドとドイツ)とユダヤ人 
15:10~15:15 司会・問題提起(鶴見太郎、東京大学)
15:15~15:55 宮崎悠(北海道教育大学)
「国民民主党の反ユダヤ主義は共有されていたのか:I.J.パデレフスキの思想からの検討」

15:55~16:30 大内宏一(早稲田大学)
「ドイツのユダヤ教徒組織の現在──ウェブ情報に基づいて」

16:30~17:00 自由討論

今年度の学術大会はzoomによるオンライン開催となります。
非会員で参加を希望される方は事務局(武井)までメールにてご連絡ください。
ayaka.takei(アットマーク)gakushuin.ac.jp

『ユダヤ・イスラエル研究』第35号の投稿申込みを受け付けます

会誌『ユダヤ・イスラエル研究』第35号は2021年3月末原稿締切、2021年12月刊行の予定です。(ただし、コロナウイルス感染状況によっては、刊行の時期が遅れたり、合併号に変更される可能性もあります)
第35号に投稿ご希望の方は、「論文」等の種別と仮題をa_kwsk(アットマーク)yahoo.co.jp (川崎)宛のメールか(件名に「『ユダヤ・イスラエル研究』投稿希望」と記してください)、学会事務局宛のハガキで2020年12月末までにお申込みください。なお、掲載された論文は学術論文データベース(J-Stage)で公開の予定ですのでご了承ください。投稿を申し込まれた方には追ってより詳しい投稿規程をお送りします。

投稿をお願いする原稿の種別と基本的な枚数(注と図表を含む。400字詰換算)は下記のとおりです。
論文・・・・・50枚
研究ノート、学会動向、旅行記など・・・・・30枚
書評・・・・・10~20枚
新刊紹介・・・・・4枚以内
原稿の採否については査読のうえ編集委員会で決定させていただきます。

2020年第17回学術大会の発表者を募集します

2020年11月15日(日)に第17回学術大会を開催いたします。
*今回はzoomによるオンラインでの大会となります。

発表ご希望の方は、仮題と200字程度の要旨を9月30日(水)までにayaka.takei(アットマーク)gakushuin.ac.jp(武井)宛にメールで送るか(件名に「学術大会発表希望」と記してください)、学会事務局宛にハガキで郵送してください。
発表時間は発表者数によりますが、25分~30分の予定です。発表をお願いするかどうかの決定は理事会にご一任いただき、結果は10月10日までにお知らせいたします。
非会員の方も会員のご紹介があれば発表できますので、お心当たりの方がいらっしゃればお声をかけてくださるようお願いいたします。

2019年度大会プログラム

第16回学術大会プログラム
日時 10月26日(土) 14:00~18:00
会場 学習院女子大学 2号館222教室(東京メトロ副都心線 西早稲田駅徒歩3分、東西線早稲田駅徒歩10分)

14:00~14:05 学術大会開催のあいさつ (学会理事長:市川裕)

14
:05~14:35 大澤耕史 (中京大学)
古代世界のユダヤ教の境界意識――「異教徒」「背教者」を中心に
現代世界の「ユダヤ人」を考える際に、国籍や出身地、宗教性の度合いなどで様々な区別がなされることは、もはや周知の事実であろう。しかし古代世界で考えてみると、もちろん資料的制約が大きいという前提はあるものの、「ユダヤ人」というくくりで広大な地域の様々な人々を安易に同一視しているのが実情ではないだろうか。本報告はこの疑問点から出発し、古代世界のユダヤ教文献の中で、何が「ユダヤ人」とそれ以外をわけているのかを単語レベルで分析する。まずは「ユダヤ人」内部の自己認識において、彼らの境界意識の一端の解明を試みるものである。(司会:上村静会員)
14:35-14:50  質疑応答

14:50~15:20 袁浩春 (東京大学大学院)
「モーセをめぐるユダヤの聖書解釈——―出エジプト記2章11、12節を中心に」
今日のユダヤ教は、二重トーラーへの理解と解釈に対するモーセの最高の権威性を認め、「モシェ、ラビヌー(われらの師であるモーセ)」という表現と共に、二重トーラーの最初の教師という位置付けで、ユダヤ教内部に定着させた。しかし、出エジプト記から始まったモーセの生涯、そして彼が引き起こした数々の奇跡など、これらのすべての出来事を法解釈(ハラハー)に帰結することができない。故に、法以外の部分(アガダー)を参照し、「モシェ、ラビヌー」という表現の形成経緯の一面を補いたい。(司会:上村静会員)
15:20-15:35 質疑応答

15:35~16:05 神田 愛子 (同志社大学大学院)
「人の創造物語から見たマイモニデスにおける質料と形相の概念」
マイモニデスは『迷える者の手引き』第二部30章において、創世記2章の人間の創造物語に言及し、男と女は同時に創造され、別個であると同時に一体であると主張している。彼は『手引き』第三部8章で、人間の男女の不可分性を質料と形相の不可分性から説明し、『手引き』第一部17章では、プラトン主義者が質料を女性とし、形相を男性と称していると述べている。本発表では、マイモニデスの質料と形相の概念を、『手引き』第二部30章を中心とした、彼の人間創造の理解に基づいて考察する。(司会:市川裕会員)
16:05-16:20  質疑応答

16:20-16:30 休憩

16:30~17:00 青木良華 (東京大学大学院)
「ヴォロジン・イェシヴァ考察――ミトナグディーム揺籃の場」
19世紀初頭に当時のリトアニアの町ヴォロジンに創設されたイェシヴァには、東欧だけでなく欧米各地から数多くの優秀なユダヤ人の若者が集まり、彼らは日々トーラーやタルムードなどの聖典学習に没頭した。本発表では、ミトナグディームと呼ばれるユダヤ教正統派の繁栄の象徴とも言えるこのイェシヴァについて、その背景となる歴史や思想とともに紹介する。どのような歴史的展開を辿ったのか、学生たちがどのような教育を受けていたのかなどについて主に発表する予定である。(司会:鶴見太郎会員)
17:00-17:15 質疑応答

17:15-17:45  平岡光太郎 (同志社大学一神教学際研究センター)
「マルティン・ブーバーとゲルショム・ショーレムによる聖性についての論争――ハスィディズム理解を中心に」
本発表では、20世紀の代表的なユダヤ思想家の1人であるマルティン・ブーバー(Martin Buber, 1878-1965)とユダヤ神秘主義研究の大家であるゲルショム・ショーレム(Gershom Scholem, 1897-1982)のあいだに見られる「聖性」に関する立場の違いを、18世紀中頃に起きたハスィディズム(ユダヤ敬虔主義)理解を中心に、明らかにすることを試みる。(司会:鶴見太郎会員)
17:45-18:00 質疑応答

18:30~20:30 懇親会 「華屋与兵衛 高田馬場店」

7月例会のお知らせ

日時  7月27日(土)15時~18時

会場  学習院女子大学2号館235教室(東京メトロ東西線早稲田駅から徒歩8分、副都心線西早稲田駅から徒歩3分)

報告者 鈴木重周 会員

論題 「ナントのシュウォブ家にみる第三共和政期のユダヤ系フランス人」

概要 国家と宗教とのせめぎ合いのなかで共和主義が覇権を握った第三共和政期(1870-1940)のフランスにおいて、ユダヤ人とはどのような存在だったのか。本報告では、象徴派作家として知られるマルセル・シュウォブ(1867-1905)とその家族を取り上げる。戦争によってアルザスの故郷を追われ、たどり着いたナントで新聞事業を起こした父ジョルジュ、父の事業をさらに発展させナントで地位を築きながらもドレフュス事件の渦に巻き込まれた兄モーリス、その娘でシュルレアリスト写真家として知られる姪リュシー、パリで東洋学者として活動した叔父レオン・カーアン。かれら「ナントのシュウォブ家」の人々に着目することで、普仏戦争から第二次大戦までの激動の時代を生き抜いたユダヤ系フランス人のひとつのあり方を明らかにする。