日本ユダヤ学会第17回学術大会開催(オンライン)のお知らせ

日本ユダヤ学会第17回学術大会
日時:2020年11月15日(日)13:20~17:00
会場:zoomによるオンライン開催

第17回学術大会プログラム
13:20~13:30 学術大会開催のあいさつ (学会理事長:市川裕)

13:30~14:00 菅野和也ソロモン(京都大学大学院)
「ユダヤ・アラビア語形成期におけるカライ派の役割: サロモン・ベン・イェロハムによる詩篇翻訳および註解から」

概要:ユダヤ・アラビア語文化の様相を語るうえでカライ派の存在は欠かせない。ヘブライ語原典を重んじた同派は9世紀後半から11世期中頃にかけてパレスチナで活動した。ラバン派ユダヤ教との論争のなかで、彼らはヘブライ語の研究だけでなく、アラビア語による翻訳と註解に注力し、ユダヤ・アラビア語文学の確立に寄与している。本発表は、サアディア・ガオンと同時代のサロモン・B・イェロハムによる詩篇翻訳と註解を通して、ユダヤ・アラビア語の形成期におけるカライ派の役割を考察する。
14:00~14:15 質疑応答

14:15~14:45 平田文子(埼玉工業大学)
「第三共和制の世俗学校計画とデュルケームのユダヤ教思想:世俗性と宗教性の狭間で」

概要:フランス社会学の祖とされるエミール・デュルケームは、フランスの公教育制度成立期に世俗道徳論を確立した人物である。そのため彼の道徳教育論は長い間、「宗教に依らない道徳論」として紹介されてきた。しかし、私は、彼の著作の殆どがユダヤ教思想を基盤としていると考えている。特にユダヤ教に見られる現実主義的・世俗主義的な宗教観が、政教分離による公教育制度成立を目指す第三共和制の施策と一致して、デュルケームが「世俗道徳論」を確立する役に選ばれたと考えている。本発表ではユダヤ教を棄てたと論じられてきたデュルケームが、実はプライベートにおいてはユダヤ教徒として生きぬいた証となる資料を提示し、彼の世俗道徳論が第三共和制の教育改革を担ったルイ・リアールやフェルディナンド・ビュイッソンの思想と一致した社会的・思想的背景を述べる。
14:45~15:00 質疑応答

15:00~15:10 休憩
特別報告 現在のヨーロッパ社会(ポーランドとドイツ)とユダヤ人 
15:10~15:15 司会・問題提起(鶴見太郎、東京大学)
15:15~15:55 宮崎悠(北海道教育大学)
「国民民主党の反ユダヤ主義は共有されていたのか:I.J.パデレフスキの思想からの検討」

15:55~16:30 大内宏一(早稲田大学)
「ドイツのユダヤ教徒組織の現在──ウェブ情報に基づいて」

16:30~17:00 自由討論

今年度の学術大会はzoomによるオンライン開催となります。
非会員で参加を希望される方は事務局(武井)までメールにてご連絡ください。
ayaka.takei(アットマーク)gakushuin.ac.jp

『ユダヤ・イスラエル研究』第35号の投稿申込みを受け付けます

会誌『ユダヤ・イスラエル研究』第35号は2021年3月末原稿締切、2021年12月刊行の予定です。(ただし、コロナウイルス感染状況によっては、刊行の時期が遅れたり、合併号に変更される可能性もあります)
第35号に投稿ご希望の方は、「論文」等の種別と仮題をa_kwsk(アットマーク)yahoo.co.jp (川崎)宛のメールか(件名に「『ユダヤ・イスラエル研究』投稿希望」と記してください)、学会事務局宛のハガキで2020年12月末までにお申込みください。なお、掲載された論文は学術論文データベース(J-Stage)で公開の予定ですのでご了承ください。投稿を申し込まれた方には追ってより詳しい投稿規程をお送りします。

投稿をお願いする原稿の種別と基本的な枚数(注と図表を含む。400字詰換算)は下記のとおりです。
論文・・・・・50枚
研究ノート、学会動向、旅行記など・・・・・30枚
書評・・・・・10~20枚
新刊紹介・・・・・4枚以内
原稿の採否については査読のうえ編集委員会で決定させていただきます。

2020年第17回学術大会の発表者を募集します

2020年11月15日(日)に第17回学術大会を開催いたします。
*今回はzoomによるオンラインでの大会となります。

発表ご希望の方は、仮題と200字程度の要旨を9月30日(水)までにayaka.takei(アットマーク)gakushuin.ac.jp(武井)宛にメールで送るか(件名に「学術大会発表希望」と記してください)、学会事務局宛にハガキで郵送してください。
発表時間は発表者数によりますが、25分~30分の予定です。発表をお願いするかどうかの決定は理事会にご一任いただき、結果は10月10日までにお知らせいたします。
非会員の方も会員のご紹介があれば発表できますので、お心当たりの方がいらっしゃればお声をかけてくださるようお願いいたします。

2019年度大会プログラム

第16回学術大会プログラム
日時 10月26日(土) 14:00~18:00
会場 学習院女子大学 2号館222教室(東京メトロ副都心線 西早稲田駅徒歩3分、東西線早稲田駅徒歩10分)

14:00~14:05 学術大会開催のあいさつ (学会理事長:市川裕)

14
:05~14:35 大澤耕史 (中京大学)
古代世界のユダヤ教の境界意識――「異教徒」「背教者」を中心に
現代世界の「ユダヤ人」を考える際に、国籍や出身地、宗教性の度合いなどで様々な区別がなされることは、もはや周知の事実であろう。しかし古代世界で考えてみると、もちろん資料的制約が大きいという前提はあるものの、「ユダヤ人」というくくりで広大な地域の様々な人々を安易に同一視しているのが実情ではないだろうか。本報告はこの疑問点から出発し、古代世界のユダヤ教文献の中で、何が「ユダヤ人」とそれ以外をわけているのかを単語レベルで分析する。まずは「ユダヤ人」内部の自己認識において、彼らの境界意識の一端の解明を試みるものである。(司会:上村静会員)
14:35-14:50  質疑応答

14:50~15:20 袁浩春 (東京大学大学院)
「モーセをめぐるユダヤの聖書解釈——―出エジプト記2章11、12節を中心に」
今日のユダヤ教は、二重トーラーへの理解と解釈に対するモーセの最高の権威性を認め、「モシェ、ラビヌー(われらの師であるモーセ)」という表現と共に、二重トーラーの最初の教師という位置付けで、ユダヤ教内部に定着させた。しかし、出エジプト記から始まったモーセの生涯、そして彼が引き起こした数々の奇跡など、これらのすべての出来事を法解釈(ハラハー)に帰結することができない。故に、法以外の部分(アガダー)を参照し、「モシェ、ラビヌー」という表現の形成経緯の一面を補いたい。(司会:上村静会員)
15:20-15:35 質疑応答

15:35~16:05 神田 愛子 (同志社大学大学院)
「人の創造物語から見たマイモニデスにおける質料と形相の概念」
マイモニデスは『迷える者の手引き』第二部30章において、創世記2章の人間の創造物語に言及し、男と女は同時に創造され、別個であると同時に一体であると主張している。彼は『手引き』第三部8章で、人間の男女の不可分性を質料と形相の不可分性から説明し、『手引き』第一部17章では、プラトン主義者が質料を女性とし、形相を男性と称していると述べている。本発表では、マイモニデスの質料と形相の概念を、『手引き』第二部30章を中心とした、彼の人間創造の理解に基づいて考察する。(司会:市川裕会員)
16:05-16:20  質疑応答

16:20-16:30 休憩

16:30~17:00 青木良華 (東京大学大学院)
「ヴォロジン・イェシヴァ考察――ミトナグディーム揺籃の場」
19世紀初頭に当時のリトアニアの町ヴォロジンに創設されたイェシヴァには、東欧だけでなく欧米各地から数多くの優秀なユダヤ人の若者が集まり、彼らは日々トーラーやタルムードなどの聖典学習に没頭した。本発表では、ミトナグディームと呼ばれるユダヤ教正統派の繁栄の象徴とも言えるこのイェシヴァについて、その背景となる歴史や思想とともに紹介する。どのような歴史的展開を辿ったのか、学生たちがどのような教育を受けていたのかなどについて主に発表する予定である。(司会:鶴見太郎会員)
17:00-17:15 質疑応答

17:15-17:45  平岡光太郎 (同志社大学一神教学際研究センター)
「マルティン・ブーバーとゲルショム・ショーレムによる聖性についての論争――ハスィディズム理解を中心に」
本発表では、20世紀の代表的なユダヤ思想家の1人であるマルティン・ブーバー(Martin Buber, 1878-1965)とユダヤ神秘主義研究の大家であるゲルショム・ショーレム(Gershom Scholem, 1897-1982)のあいだに見られる「聖性」に関する立場の違いを、18世紀中頃に起きたハスィディズム(ユダヤ敬虔主義)理解を中心に、明らかにすることを試みる。(司会:鶴見太郎会員)
17:45-18:00 質疑応答

18:30~20:30 懇親会 「華屋与兵衛 高田馬場店」

7月例会のお知らせ

日時  7月27日(土)15時~18時

会場  学習院女子大学2号館235教室(東京メトロ東西線早稲田駅から徒歩8分、副都心線西早稲田駅から徒歩3分)

報告者 鈴木重周 会員

論題 「ナントのシュウォブ家にみる第三共和政期のユダヤ系フランス人」

概要 国家と宗教とのせめぎ合いのなかで共和主義が覇権を握った第三共和政期(1870-1940)のフランスにおいて、ユダヤ人とはどのような存在だったのか。本報告では、象徴派作家として知られるマルセル・シュウォブ(1867-1905)とその家族を取り上げる。戦争によってアルザスの故郷を追われ、たどり着いたナントで新聞事業を起こした父ジョルジュ、父の事業をさらに発展させナントで地位を築きながらもドレフュス事件の渦に巻き込まれた兄モーリス、その娘でシュルレアリスト写真家として知られる姪リュシー、パリで東洋学者として活動した叔父レオン・カーアン。かれら「ナントのシュウォブ家」の人々に着目することで、普仏戦争から第二次大戦までの激動の時代を生き抜いたユダヤ系フランス人のひとつのあり方を明らかにする。

総会・シンポジウム開催のお知らせ

日時 2017年5月25日(土)

場所 学習院女子大学 2号館2階 222教室

(副都心線西早稲田駅徒歩5分、東西線早稲田駅徒歩10分、JR高田馬場駅徒歩15分)

注意:学習院女子大学への入構の際には、正門(明治通り)もしくは北門

(諏訪通り)の受付で氏名を記入し、入構証をもらってください。

 

総会(13時~14時)

議題

1.前年度活動報告の件 2.前年度会計報告の件 3.会誌編集報告の件

4.2019年度活動計画の件  5.2019年度予算の件 6.理事・監事改選の件

7.その他

 

日本ユダヤ学会 公開シンポジウム

「エルサレム ―聖都をめぐる政治―」

日時 5月25日(土) 14:00-17:50
会場 学習院女子大学 2号館 222教室

14:00-14:10 開会のあいさつ:市川裕(東京大学) 

14:10-14:50 辻田俊哉(大阪大学)
「エルサレムをめぐるイスラエルの政策動向」
イスラエルはエルサレムを「永遠で不可分の」首都と主張し、その目的に向け、様々な政策を実施してきた。本報告では、近年のエルサレムに関するイスラエルの政治、安全保障、経済、科学技術イノベーション面での政策動向と国内における政策課題をみていき、最後に、諸政策が中東和平プロセスに及ぼしうる影響について考える。
(質疑応答10分)

15:00-15:40 臼杵陽(日本女子大学)
「イスラーム的エルサレムの現在」
イスラーム的エルサレムとは、アル・アクサー・モスクおよび岩のドームがあるアル・ハラム・アッ・シャリーフ(聖域)のもつ象徴性によって表象される。本報告ではこの聖域をめぐる争いを、歴史的に重層化された「地層」の観点からイスラーム的エルサレムの現在を踏まえて考察する(質疑応答10分)

15:50-16:10 休憩

16:10-16:50 並木麻衣(日本国際ボランティアセンター
「パレスチナ人住民の立場から:聖都エルサレムが抱える課題と展望」
エルサレム人口の38%を占めるとされるパレスチナ人住民は、ユダヤ系住民とは異なる難しい境遇の中で暮らし続けている。本発表では、東エルサレムで支援活動を行うNGOスタッフの視点から見えた、現地の人々が直面する問題、暮らしを支える共助の試みや、守られるべき権利を訴え続ける人々の姿について報告する。(質疑応答10分)

 17:00-17:50 全体討議

『ユダヤ・イスラエル研究』第33号の投稿申込みについて

『ユダヤ・イスラエル研究』第33号の投稿申込みを受け付けます

会誌『ユダヤ・イスラエル研究』第33号は来年3月末原稿締切、来年12月刊行の予定です。
第33号に投稿ご希望の方は、「論文」等の種別と仮題をtaro_tsurumi<アット>yahoo.co.jp (鶴見)宛のメールか(件名に「『ユダヤ・イスラエル研究』投稿希望」と記してください)、学会事務局宛のハガキで本年12月末までにお申込みください。なお、掲載された論文は学術論文データベース(J-Stage)で公開の予定ですのでご了承ください。投稿を申し込まれた方には追ってより詳しい投稿規程をお送りします。

投稿をお願いする原稿の種別と基本的な枚数(注と図表を含む。400字詰換算)は下記のとおりです。
論文・・・・・50枚
研究ノート、学会動向、旅行記など・・・・・30枚
書評・・・・・10~20枚
新刊紹介・・・・・4枚以内
原稿の採否については査読のうえ編集委員会で決定させていただきます。

12月関西研究例会のご案内

本年度も下記のとおり関西研究例会を開催いたしますので、どうぞご出席ください。

日時 12月1日(土)14時~17時30分

会場 神戸女学院大学 文学館1階L-8教室 (門戸厄神駅から徒歩10分、正門から徒歩5分)

交通アクセス

https://www.kobe-c.ac.jp/access

キャンパスマップ

https://www.kobe-c.ac.jp/campuslife/map

 

<報告者と題目>

河村兼二郎 会員

「サアディアとダヴィド・ベン・ザッカイの論争」

竹原有吾 会員

「18~19世紀ベルリンのユダヤ教徒の経済活動と国民経済の形成」

ソ連・東欧のホロコースト

10月28日(日)に早稲田大学戸山キャンパスにて、「ソ連・東欧のホロコースト」をテーマとする日本ユダヤ学会共催・国際シンポジウムを開催いたします。

午前の日本語による個別研究報告はそれぞれ、リトアニア、ベラルーシ、ウクライナ等旧ソ連各地の反ユダヤ主義とホロコーストの問題について、午後の英語による「東欧のホロコースト」ではユダヤ歴史研究所(ワルシャワ)からカタジーナ・パーソン氏 、ホロコースト・宗教マイノリティ研究センター(オスロ)からアントン・ヴァイス=ヴェント氏のお二人を招き、2つのパネルーー「ポーランドのホロコーストと戦後ポーランド」、「ホロコーストとジェノサイド(ユダヤ人とロマ)」をめぐる問題を扱います。

みなさまのご参加をお待ちいたします。

<シンポジウム  ソ連・東欧のホロコースト>

2018年10月18日(日) 午前9時30分開場
会場 早稲田大学戸山キャンパス36号館6階 681教室 (10時〜18時)
戸山キャンパスへのアクセスと構内案内図は以下をご覧ください。
https://www.waseda.jp/top/access/toyama-campus

https://www.waseda.jp/top/assets/uploads/2016/10/20161020toyama_campus_map.pdf

シンポジウム・プログラム

1) 10:00~12:30 「ソ連におけるホロコースト」(日本語による報告)

1 重松尚(東京大学)
リトアニア人行動主義戦線の反ユダヤ主義—ブロニース・ライラの思想と活動

2 野村真理(金沢大学)
ミンスク・ゲットーの抵抗運動—成果と限界

3 髙尾千津子(東京医科歯科大学)
ウクライナ・ユダヤ民族地区の絶滅—独ソ戦期の<隣人の証言>

休憩

2) 13:30~18:00   The Holocaust in Eastern Europe (英語による報告)

1- The Holocaust and its Aftermath in Poland

Katarzyna Person (Jewish Historical Institute in Warsaw, Poland)
Acculturated Jews during the Holocaust and Postwar Polish-Jewish relations

Haruka Miyazaki(Hokkaido University of Education, Hakodate)
Nationalism and Catholic Images in Afterwar Poland:

Discussant: Taku Shinohara (Tokyo University of Foreign Studies)
Chair: Ayaka Takei (Gakushuin Women’s College)

2- The Holocaust and Genocide

Anton Weiss-Wendt  (Center for the Study of the Holocaust and Religious Minorities, Oslo, Norway)
Mass Murder by Design: The Nazi Treatment of Jews and Roma Compared

Takumi Ide (Rikkyo University)
Persecution of Roma in the Slovak State: Comparison with the Case of Jews

Discussant: Hiromi Komori (Waseda University)
Chair: Taro Tsurumi (University of Tokyo)

主催 科研基盤(B)「ソ連・東欧におけるホロコーストの比較研究」
共催 日本ユダヤ学会・東欧史研究会

第15回(2018年)学術大会プログラム

第15回学術大会プログラム

日時 10月27日(土) 12:30~15:50
会場 学習院女子大学 7号館734教室

12:30~12:35 学術大会開催のあいさつ (学会理事長:市川裕)

12:35~13:05 李美奈(東京大学大学院)
異教徒共通法から自然法へ 17世紀ヴェネツィアにおける変化の一段階」
17世紀ヴェネツィアのラビ、シモーネ・ルッツァートは『ユダヤ人の社会的立場についての議論』において、ユダヤ教を2つの側面に分け、ユダヤ教の特殊な儀礼を自発的にユダヤ人のみに守られる法、普遍的な倫理についてはユダヤ人が積極的に異教徒と共有する法とした。ただし社会の個人を結びつける絆としては前者が優先される。本発表ではユダヤ教の伝統にある異教徒との共通の戒律と、キリスト教社会で発達した自然法の流れとから、この思想を近代初期の歴史に位置付けることを試みる(司会:牧野素子会員)
13:05-13:20  質疑応答

13:20~13:50 向井 直己 (京都大学特定研究員)
「レオポルト・ツンツと初期ユダヤ学の(諸)展望」
2018年は、レオポルト・ツンツの『ラビ文献について』公刊から200年を数える節目の年にあたる。これを機として、毀誉褒貶著しい初期ユダヤ学(Wissenschaft des Judentum)の取り組みについて、改めて考える機会を設けたい。ベルリンの「文化・学術協会」やツンツのユダヤ学構想に重心を置きつつも、ユダヤ文化の研究が知的産業として成立する(1840年代〜)以前の研究者たちの知的挑戦を概観しつつ、地域的・文化的多様性に配慮し、彼らが展望し得たユダヤ文化の姿、それが惹起した対立についてパノラマ的な見取り図を提示することが、本発表での目標である。(司会:大内宏一会員)
13:50-14:05 質疑応答

14:05~14:20 休憩

14:20~14:50  天野優(同志社大学大学院)
20世紀初頭イラクのユダヤ系知識人とアラビア語文芸誌」
イギリス委任統治期を経て一定の独立を果たしたイラクでは、ユダヤ系を含む多様な宗教的背景を持つ西洋式教育を受けた中流階級の知識人らが、より包括的かつ世俗的な社会の実現を目指し議論していた。本発表では、20年代から30年代にかけてユダヤ系知識人らによって正則アラビア語で書かれた文芸誌及びその編集出版において重要な役割を果たしたユダヤ人、アンワル・シャーウール(1904-1984)を取り上げ、当時イラクのユダヤコミュニティで見られた多様なアイデンティティの萌芽の一側面を提示する。(司会:鶴見太郎会員)
14:50-15:05  質疑応答

15:05~15:35 村井華代共立女子大学文芸学部
ハビマ、ブーバー、『ユダヤ的ドラマ』
2018年は、現在イスラエル国立劇場となっている劇団「ハビマ」創立100年に当たる。モスクワで旗揚げの後、1926年に世界ツアーに出発したころ、ハビマのレパートリーは『ディブック』などユダヤ世界を描いた数篇しかなかった。彼らが非ユダヤ劇を上演するようになったのはツアー中の1930年、シェイクスピア『十二夜』においてだったが、これには新生ヘブライ語劇場が選ぶべき道についてのマルティン・ブーバーのヴィジョンが深く関係している。本発表では、ブーバーがパレスチナの新たな「ユダヤ的ドラマ」をいかに想定したか、近年テルアビブ大学演劇アーカイブで発見された資料を基に考察する。(司会:母袋夏生)
15:35-15:50 質疑応答

ヨナタン・メイール氏講演会(対談形式)
ヘブライ語通訳及びディスカッサント:山本伸一氏
講演は両先生の対談形式で、ヘブライ語と日本語で行われます)

日時:2018年10月27日 16:15~18:00
会場:学習院女子大学 7号館734教室

講演題目:The Significance of the Sabbatian Movement: G. Scholem’s Unpublished Lecture
講演概要:History of the Sabbatian Movement was the first attempt by one of the giants of scholarship on Jewish mysticism, Gershom Scholem (1897-1982), to present a comprehensive picture of Sabbatianism as a single narrative. The book, edited by Schinichi Yamamoto and Jonatan Meir,  is based on the series of lectures given at the Hebrew University during 1939-1940, which are of special importance in that they laid the foundation for all of Scholem’s research in the years to come, including his extensive monograph Sabbatai Sevi: the mystical Messiah, 1626-1676, first published in 1957. What follows is a sketch of the massive History of the Sabbatian Movement, over which Gershom Scholem toiled his whole life. The lectures are presented here for the first time based on the original manuscript. We will talk about the importance of Scholem’s Lectures and about the state of research this days.
17:45~18:00 自由討論

ヨナタン・メイール
ヨナタン・メイール Jonatan Meir。ベングリオン大学(ネゲブ)教授。近代ユダヤ思想を専門とし、東欧ユダヤ史、ユダヤ神秘主義、ユダヤ啓蒙主義、現代カバラーなど幅広い研究を行う。最近の著書に、『想像のハシディズム:ヨセフ・パールによる反ハシディズム文学』(2013)、『文学におけるハシディズム:ミハエル・レヴィ・ロドキンソンの生涯と作品』(2016)、『エルサレムのカバリスト団体:1896-1948』(2016)などがある。