2023年度総会・シンポジウム

日時:7月1日(土) 13:00~17:50
会場:Zoomによるオンライン開催

【非会員の方向け:申し込み情報を追記しました】

※学会の会員以外の方で公開シンポジウムの参加をご希望の方は、6月30日(金)
の18時までに以下のサイトに必要事項をご入力ください。学会の総会が終了次第、
Zoomミーティングの情報をご入力いただいたメールアドレス宛てにお知らせいた
します。

https://docs.google.com/forms/d/1dIPG1iaotQLeqBvFhCHI_TSx00uiuC9ZEgwgb5dPwSs/edit

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総会(13:00~14:00)

公開シンポジウム(14:00~17:50)
「東欧ユダヤ史研究の過去と現在」

14:00~14:10 開会の挨拶:市川裕(東京大学名誉教授)

14:10~14:50 安齋篤人 (東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士
課程)
「戦間期ガリツィア・ユダヤ人の都市近郊農業とエスニック・マーケティング戦
略」
 本報告は,戦間期のガリツィア地方におけるユダヤ人の都市近郊農業を扱う。
近代に至るまで、ヨーロッパのユダヤ人は法的差別のために土地の購入を禁じら
れ、農業から疎外されていた。中東欧地域において例外的にユダヤ人の農業が発
展したのが、19世紀後半から20世紀半ばにかけてハプスブルク帝国及びポーラン
ド第二共和国の支配下にあったガリツィアである。同地域では、19世紀中盤の法
的解放の後にユダヤ人が土地を購入し、都市近郊農業という新しい農業ビジネス
を展開した。特に戦間期にはユダヤ人の食事規定(コシェル)を満たす乳製品が
都市部で販売されると共に、パレスチナなど海外市場への輸出も試みられた。本
報告ではこうしたユダヤ農業の特徴を、ポーランド第二共和国におけるガリツィ
アや諸地域の戦災復興と都市化、国際的な資金支援、固有の食習慣を維持する民
族的・宗教的マイノリティを対象としたユダヤ人農家のエスニック・マーケティ
ング戦略の3つの観点から分析する。(質疑応答10分)
14:50~15:00 休憩 (10分)

15:00~15:40 西村木綿 (名古屋外国語大学世界共生学部)
「誰が、なぜ、『ポーランドのユダヤ史』を書くのか」
歴史的ポーランドのユダヤ人についての近代的な歴史研究は、19世紀末よりポー
ランドのユダヤ人自身の手で開始された。WWII後、研究の中心はイスラエルと米
国に移るが、他方で1980年代以降のポーランドでは、主要大学を拠点に非ユダヤ
系ポーランド人によるユダヤ史研究が盛んに行われている。本報告では、それぞ
れの時期にどのような動機がポーランド・ユダヤ史研究を促したか、また、戦前
と戦後で担い手が変わる中で、研究にどのような変化があったのかを考察する。
(質疑応答10分)
15:50~16:00 休憩 (10分)

16:00~16:40 重松尚 (日本学術振興会特別研究員)
「リトアニアのユダヤ人に関する歴史叙述の変遷」
リトアニアの歴史を語る上でユダヤ人の存在は欠かすことができない。しかし、
従来のリトアニアの歴史叙述においては、民族的リトアニア人を主体とする歴史
叙述のなかでユダヤ人についてはほとんど触れられてこなかった。21世紀に入る
と、リトアニアが欧州統合を進めていく上で多文化主義が重視されるようになり、
これに伴いリトアニア・ユダヤ人の歴史も再認識されるようになってきている。
本発表では、リトアニアにおける主要な歴史書においてユダヤ人に関する歴史叙
述がどのように変遷してきたのか、その背景となる政治的動向も含めて論じる。
(質疑応答10分)

16:50~17:50 全体討議

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