第21回学術大会開催のお知らせ

下記のプログラムに基づき、対面形式(東京大学本郷キャンパス)で開催されているものをZoomでもライブ配信するハイブリッド形式で学術大会を開催いたします。

日時:2024年10月26日(土) 10:25~17:30 
場所:東京大学本郷キャンパス法文1号館113教室
〒113-0033 東京都文京区本郷7丁目3−1(場所は下記のリンクからご確認ください)
https://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_01_01_j.html

非会員の方でオンライン参加を希望される場合は、事前申し込みが必要です。
申込は下記のフォームからお願いいたします。10月24日(木)が締切です。
第21回学術大会オンライン参加用申込フォーム(非会員の方のみ)
*対面参加を希望される場合は、事前申し込みは不要です。

プログラム

10:25 開会のあいさつ

10:30~11:15 嶋田英晴(同志社大学)
ユダヤの商業ネットワークと『ラシュート(管轄)』の関わり~ブンダール家の事例から~

ゲニザ文書の書簡と先行研究から、12世紀前半の地中海とインド洋で活動するユダヤ商人達とネットワークを有していた、アデンを拠点とした豪商ブンダール家を中心に、バビロニアのレシュ・ガルータ(捕囚民の長)、エジプトにおけるパレスチナ系イェシヴァのガオン、そしてエジプトのナギッド(ユダヤの長)との関りを明らかにする。これによりユダヤの商業ネットワークとラシュートの関わりについて具体的に解明する。
(※研究発表は発表30分+質疑応答15分。以下同)

11:20~12:05 蓼沼理絵子
R.Bahyaの「食卓」-パンの祝福と世界の秩序

サラゴサのR.Bahya ben Asher(1255-1340)の『シュルハン・シェル・アルバ(四脚の食卓)』は、その名のとおり「食」から道徳と倫理を説く。荒れ野に降ったマナや過越し祭のマツァを含め、パンはすべての食事と生活の基本であり、卓上の食事と作法は世界の秩序を表す。ゆえに、定められた食事は正しい知識の摂取であり、救済の約束につながる。このパンの祝福と表象から、R.Bahyaの説く「食卓」とその世界観を考察する。

12:05~13:30 休憩

13:30~14:15 大澤耕史(中京大学)
ヘブライ語聖書から新約聖書までの呼称とその実体:「ユダヤ人」とその周辺

ヘブライ語聖書の中で「ユダヤ人」を示す言葉は複数存在する(ユダヤ人、ヘブライ人、イスラエルの民等)。本報告ではそれらの呼称と実体を踏まえた上で、聖書外典偽典を経て新約聖書に至るまでの間に、それらの呼称と実体がどのように変化したかを明らかにすることを試みる。特に、話者/著者がキリスト教徒に変わるに際し、神との契約の正統性をめぐる争いの中での変遷に着目したい。

14:20~15:05 李美奈(東京大学大学院)
17世紀理性主義者に対する反駁に見る、モデナの儀礼と法に関する思想

発表者はレオネ・モデナ(1571-1648)『ヘブライ人の儀礼の歴史』(1638)の歴史的な影響力を鑑み、モデナのユダヤ法や儀礼に関する思想を研究している。本発表ではハンブルクのウリエル・ダ・コスタがヴェネツィアのラビに当てた質問状に対するモデナのレスポンサ『盾と大楯』(1616)を用いて、口伝トーラーや戒律の実践に関するダ・コスタとモデナの見解の違いを分析し、モデナのユダヤ法に対する思想を明らかにすることを試みる。

15:10~15:55 加藤哲平(九州大学)
ラビ・オカモト:日本人最初のラビの生涯と思想

本発表は、ラビ・オカモトこと岡本宏(おかもと・ひろし、1926-1981)の生涯と思想を、現存する資料から明らかにするものである。岡本は、戦時中は帝国海軍兵学校にて訓練を受けた軍人であったが、戦後日本の思想的混乱に抗するかのように、永遠の真理をユダヤ教に求めた。米国ヒブル・ユニオン・カレッジにてラビの資格を取得した岡本は、ラビとしての活動の傍ら、英国および米国で、タルグムの研究や比較宗教の教育にも従事した。本発表は、この「日本人最初のラビ」に関する最初の報告である。

15:55~16:15 休憩

16:15~17:30 講演:Jonatan Meir(Ben Gurion University of the Negev)
Historiography, Hasidism, and Forgery: The Case of the Kherson Geniza (On the Historiography of Habad and the Early Hasidic Movement)

In 1918, with the end of the First World War, rumours spread that a huge collection of original writings by the founder of Hasidism, Israel Baal Shem Tov, his disciples, and their followers had been discovered in Kherson. This was major news, as very few known texts by him exist—only a few letters. What prevents modern scholars from uncovering the mystery of these texts’ authenticity? Why are Hasidim still not ready to present these documents to the wider public? What is the significance of these letters in the history of Hasidism?
The lecture aims to highlight the uniqueness of Habad historiography as a case study of historical document forgery, the reinforcement of internal Hasidic consciousness, and the attempts to create a Hasidic modern literary channel in response to the secular neo-Hasidic literature of the early 20th century.
(※本講演はヘブライ語でおこなわれます。英文要旨が付きます)

講演者紹介
Jonatan Meir is a full Professor in the Goldstein-Goren Department of Jewish Thought at Ben-Gurion University of the Negev, and a Member of the Israel Academy of Sciences and Humanities. He serves as a JSPS fellow for 2024-2025 at the University of Tokyo.
Meir has composed seven monographs, edited various anthologies, produced several critical editions, and published over 100 articles. Among the books he has written or edited are included –Imagined Hasidism: The Anti-Hasidic Writings of Joseph Perl (Mossad Bialik, 2014); Joseph Perl, Sefer Megale Temirin, annotated edition in 2 volumes (Mossad Bialik, 2014); Kabbalistic Circles in Jerusalem, 1896-1948 (Brill, Aries Book Series, 2016); Literary Hasidism: The Life and Works of Michael Levi Rodkinson (Syracuse University Press, 2016); Habad Hasidism: History, Theology and Image (Zalman Shazar Press, 2016); Gershom Scholem, History of the Sabbatian Movement (Schocken, 2018); Gershom Scholem and the Research of Sabbatianism (Schocken Institute, 2021); Three Lectures on Bratslav Hasidism, Schocken Institute 2024); Three Lectures on Habad Hasidism (Schocken Institute 2024); Wrestling with the Esoteric: Three Lectures on Yehuda Leib Ashlag and 20th Century Kabbalah (Schocken Institute 2024)

日本ユダヤ学会編『ユダヤ文化事典』が刊行されました

日本ユダヤ学会編、市川裕(編集代表)
『ユダヤ文化事典』
丸善出版、2024年7月

【内容紹介】
 ユダヤ教は、啓示(超越的な神)がこの世の人間たちに対して現れるという現象を基盤とする一神教であり、ユダヤ民族の民族宗教である。その宗教の独自性ゆえに周囲の異邦人により常に差別され迫害される危険にさらされたが、宗教による絆によって結ばれた一つの民として独自の存在を保持してきた。
 本事典は、近現代のユダヤ(宗教および人)の文化に焦点をあてている。古代から現代まで、領土をもたず、世界中に集団が広がりながらも、ユダヤ教という宗教によってのみ相互の絆を守り、一つの民として独自の存在を保持・生き抜いてきたユダヤ人の文化の営みを網羅的に把握することを目指した。
 ユダヤ教の概念から民族の歴史、世界各地での様相、経済・文化的活動、日本との関わりなど、全16章304項目を執筆者156名による書下ろしで解説。

目次および詳細は下記の丸善出版のウェブサイトにてご確認ください。
https://www.maruzen-publishing.co.jp/item/b306003.html

2024年度第21回学術大会の発表者を募集します

2024年度第21回学術大会の発表者を募集いたします

2024年10月26日(土)に第21回学術大会を開催いたします。
*今回は対面(東京大学本郷キャンパス)で開催されているものをzoomでもライブ配信する大会となる予定です。
*原則として午後の開催を予定しております。

発表ご希望の方は、仮題と200字程度の要旨を2024年8月31日(木)までにjsjsnews(アットマーク)gmail.com宛にメールでお送りください。
件名に「日本ユダヤ学会学術大会発表希望」と記載してください。
*受領のさいは、こちらから返信をいたします。(この返信をもって発表を認めるものではないのでご注意ください)

発表時間は発表者数によりますが、25~30分の予定です。発表をお願いするかどうかの決定は理事会にご一任いただき、結果は9月30日までにお知らせいたします。
非会員の方も会員のご紹介があれば発表できますので、お心当たりの方がいらっしゃればお声をかけてくださるようお願いいたします。

2024年度総会・シンポジウム

日時:2024年7月7日(日)
会場:東京大学駒場キャンパス21KOMCEE West3階K303

・zoomによるハイブリッド形式での開催となります。
総会とシンポジウムのzoomミーティングルームのURLは、会員のみなさまには事務局からメールでお知らせいたします。

・学会の会員以外の方で公開シンポジウムの参加をご希望の方は、7月5日(金)18時までに以下のサイトに必要事項をご入力ください。学会の総会が終了次第、Zoomミーティングの情報をご入力いただいたメールアドレス宛てにお知らせいたします。
公開シンポジウムオンライン参加申込フォーム

*会員以外の方でシンポジウムに対面で参加される方は、上記の申し込みは不要です。
当日、総会の終了後に会場にご入室ください。

公開シンポジウム『内側からのイスラエルとパレスチナ』

14:00-10 開会の辞(市川裕理事長)

14:10-50 犬塚悠太(東京大学大学院)
「イスラエル国におけるユダヤ教の諸相:分岐する宗教シオニズムを事例に」
宗教はさまざまな側面から社会・政治的な問題と関わるがイスラエルにおいてもそれは例外ではない。今日のイスラエルにおいては「宗教化」という現象が生じているとされ、軍隊、教育をはじめとした社会の諸側面で宗教の影響が強まってきているほか、2022年の選挙による宗教政党の台頭と司法改革、それに伴う国内の分断という点でも宗教はますます重要なテーマとなってきている。他方でイスラエルにおけるユダヤ教は複雑な状況にあり、一口に宗教と言っても複数の方向へと分岐している。本法国では現代のイスラエル社会における正統派ユダヤ教がどのように人々を分断したり結びつける作用を果たしているのか、そしてそれはどういった歴史的展開を持っているのかを示す事例として、超正統派に近づく宗教シオニズムと、世俗派との積極的な協働を目指す宗教シオニズムという二つの方向性について論じる。
(質疑応答10分)

休憩10分 (15:00-10)

15:10-50 保井啓志(人間文化研究機構人間文化研究創発センター研究員/同志社大学研究開発推進機構学術研究員)
「動物論から見るイスラエル社会の諸相」
ガラント国防相の「人間動物」発言に代表されるように、とりわけ10月7日以降のイスラエル社会では、人間と動物の関係が再び政治の表舞台に立っている。この人間と動物の関係を対象にした研究は動物論あるいは批判的動物研究という名で近年日本でも紹介され注目を集めてきた。これらの研究領域は、動物の権利運動、菜食主義の実践、人間-動物間関係や「人間性」の持つ意味など広範な射程を含むものである。そのため、パレスチナ問題をめぐって人間性や権利、倫理性が複雑に絡み合うイスラエルの現在の社会的状況を理解するのに、動物論の果たすべき役割は大きい。本報告では近年の動物論の議論を追いながら、①動物の権利運動の展開、②倫理的な優位性、③人間性とテロリズムの三点を取り上げる。そして人間と動物に関する事柄がどのようにイスラエルの植民地主義とナショナリズムにつながってきたのかを論じることで、イスラエル社会の諸相を明らかにしたい。
(質疑応答10分)

休憩10分 (16:00-10)

16:10-50 南部真喜子(東京外国語大学総合国際学研究院特別研究員)
「エルサレムのパレスチナ人コミュニティにおける逮捕と拘禁」
本報告では、占領下エルサレムのパレスチナ人コミュニティ(東エルサレム)における、イスラエル当局による若者の逮捕や拘禁がもたらす影響について考えてみたい。1967年の併合以来、東エルサレムはイスラエルの行政管轄下にある。実際には、イスラエルの入植・植民地政策によって、コミュニティの維持をはじめとする日常のあらゆる生活空間に支配の侵食が進んでいる。若者の逮捕や拘禁は、「セキュリティ維持」の名目以上に、パレスチナ人社会を弱体化するひとつの手段として捉えられるだろう。ここでは、投獄の体験が、「子どもでいること」や「大人になること」といった個人の生のあり方にどのような影響を及ぼしているのか、友人関係や家族関係にどのような差異を生み出しているのか、そしてそれらを乗り越えようとする言説や動きについて検討したい。
(質疑応答10分)

休憩10分 (17:00-10)

17:10-50 全体討論


2024年研究例会のお知らせ

下記のプログラムに基づき、対面形式(同志社大学今出川キャンパス)で開催されているものをZoomでもライブ配信するハイブリッド形式で研究例会を開催いたします。

日時:2024年2月24日(土)14:00~16:10
場所:同志社大学今出川キャンパス
寧静館(Neiseikan) 4階 会議室(Conference room)

非会員でオンライン参加を希望される方は下記のフォームから参加登録をお願いいたします。
(2024年2月22日締切)
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfIMYm2Tuc0PvU3llwSBdU_11bFUPl0EOOOIZ2w-EXUAchVfQ/viewform

プログラム

14:00~14:05 開会の挨拶

14:05~14:45 
シラ・マルカ・コヘン会員(同志社大学国際教育インスティチュート嘱託講師)
「死の舞踏とハド・ガドヤー:ヤコブ・ホロウィッツの作品における音楽、ホラー、 そしてユダヤ史」
ヘブライ文学モダニズムの先駆者の一人であったヤアコヴ・ホロヴィッチ(1901-1975)は1941年、ヨーロッパからすでにイギリス委任統領パレスチナに入ってきていたナチス氏は以下のユダヤ人の運命への応答として短編小説『מוזיקה מודרנית』(直訳「現代音楽」)を発表した。この作品はホロヴィッツ自身のユダヤ人の虐殺に対する悲嘆や自責の念を表現するだけでなく、世界におけるユダヤ人の場所、特にヨーロッパ文明との間牽制を見直すものとなった。この発表ではホロヴィッチの短編におけるこれらの思想を「現代音楽」という象徴の異なる4つの解釈を元に論じる。
14:45~15:00 質疑応答

15:15~15:55 
アダ・タガー・コヘン会員(同志社大学神学部教授)
「現代における反ユダヤ主義 – 個人的視点から」

イスラエル建国10年後に生まれた一人のユダヤ人として、自らの経験をもとに反ユダヤ主義について考察する。これまで発表者は、欧州のホロコースト関連資料をもとに反ユダヤ主義を理解してきたが、過去30年間で反ユダヤ主義が反イスラエルとなり、その認識は変化した。このような反ユダヤ主義の変遷と、現代日本で暮らすユダヤ人としての幸運について語る。(English with simultaneously Japanese translation)
15:55~16:10 質疑応答

共催:同志社大学一神教学際研究センター(CISMOR)

『ユダヤ・イスラエル研究』第38号の投稿申し込みを受け付けます

会誌『ユダヤ・イスラエル研究』第38号への投稿を募集いたします。
ご希望の方は2023年12月末までに志田雅宏宛てにメールをお送りください。
masahiroshida222(アットマーク)gmail.com
件名に「論文」等の種別と仮題を記載してください。
編集委員会にて申し込みを受理した後、詳しい投稿規定をお送りいたします。

原稿の種別と基本的な枚数(注と図表を含む。400字詰換算)は下記のとおりです。
論文:50枚
研究ノート、学会動向、旅行記など:30枚
書評:10~20枚
新刊紹介:4枚以内
*書評と新刊紹介については、編集委員会の方から執筆を依頼する場合がございます。
*2023年度のシンポジウム原稿の執筆依頼を受諾してくださった方々も、上記の原稿の投稿が可能です。

第38号は2024年3月末原稿締切、2024年12月刊行の予定です。
なお、掲載された論文は学術論文データベース(J-Stage)で公開の予定ですので、ご了承ください。
原稿の採否については査読のうえ編集委員会で決定させていただきます。

第20回学術大会のお知らせ

下記のプログラムに基づき、対面形式(東京大学本郷キャンパス)で開催されているものをZoomでもライブ配信するハイブリッド形式で学術大会を開催いたします。

日時:2023年10月28日(土) 13:00~17:05 
場所:東京大学本郷キャンパス法文1号館113教室
(〒113-0033 東京都文京区本郷7丁目3−1)
キャンパス内の法文1号館の場所はこちらでご確認ください。

非会員の方でオンライン参加を希望される場合は、事前申し込みが必要です。
申込は下記のフォームからお願いいたします。10月26日(木)が締切です。
第20回学術大会申込フォーム
*対面参加を希望される場合は、事前申し込みは不要です。

13:00~13:05 開会のご挨拶

13:05~13:35 
犬塚悠太(東京大学大学院)
「宗教シオニズム思想における国家像と『民主主義』」

2022年の選挙結果に伴う一連の政治的混乱はユダヤ民族による「民主主義」をめぐる対立の様相を呈している。その中で宗教シオニズムに連なる陣営は司法の権限を弱める「司法改革」によって「民主主義」が守られると主張している。本発表では宗教シオニストの人々がどのようにイスラエル国家やその政体について神学的に理解してきたのかを歴史的に確認し、その変遷を考察することで彼らの思想や現在イスラエルで起こっている現象をより正確に捉えることを目標とする。
13:35~13:50 質疑応答

13:50~14:20 
天野優(日本学術振興会)
「20世紀前半イラクのユダヤ・コミュニティとパレスチナ/エレツ・イスラエル:その位置づけの変遷に着目して」

本報告は、イラクのユダヤ・コミュニティにおけるパレスチナ/エレツ・イスラエルの位置づけが20世紀以降どのように変化したのか、同時期のヘブライ語/アラビア語新聞に見られる関連記事などを取り上げ、考察するものである。近年の研究動向を紹介するとともに、パレスチナ/エレツ・イスラエルとの関係にシオニズムがもたらした影響に留意しつつ歴史的・社会的背景を整理し、その変遷の一端を明らかにしたい。
14:20~14:35 質疑応答

14:35~15:05 
アンドリュー・オバーグ(高知県立大学)
「ホセア書12章4-5節:四つの現象学的な読み方」

ホセア書12章4-5節に二つの神を表す神話(theophany)の言及があり(参照:創世記28章10-22節、32章25-29節)、両方ともはヤコブとの関係です。その上にベース・エールで神はヤコブと話をすることも述べています。殆どの英語訳(日本語訳もそう)は七十人訳聖書のあと5節bβの最後に「彼」を使っておりが、ヘブライ語には「我ら」が書いてあります。この発表で先程代名詞の違いから節の意味を考える為にハイデッガーの解釈学的な現象学の「prestructure」を使い、四つの観点から分析します:汎神論的な「我ら」(panentheistic “us”)、異神論的な「我ら」(henotheistic “us”)、公共的な「我ら」(communal “us”)、とアイデンティティ主義「我ら」(identitarian “us”)。
15:05~15:20 質疑応答

15:20~15:35 休憩

15:35~16:05 
李美奈(東京大学大学院)
「17世紀レオネ・モデナの『獅子は吠える』における『戒律の理由』(Ta’amei haMitzvot)論」

17世紀ヴェネツィアのラビ、レオネ・モデナ(1571−1648)は、人間知性によってトーラーや儀礼の内容を完全に理解できると考える一方で、カバラーへの反駁書Ari Nohem(獅子は吠える)においては、戒律の意味や理由については人間知性では理解し得ないとする。モデナの思想における信仰と理性の関係についてより明らかにするために、本発表ではユダヤ社会で展開されてきた「戒律の理由」論とモデナのAri Nohemの議論とを比較し、モデナの思想の特徴を洗い出すことを試みる。
16:05~16:20 質疑応答

16:20-16:50 
大澤耕史(中京大学)
「聖書解釈に見る自他認識――古代末期のユダヤ教とシリア・キリスト教の比較から――」

本発表では、主にタナイーム期・アモライーム期のユダヤ人と、同時代の初期シリア教父(アフラハト)が、ユダヤ人とその他の人々をどのように区別してきたかの一端を、ヘブライ語聖書の「ゴイ」という語の解釈から明らかにすることを試みる。それによって、古代末期のユダヤ人と(シリア地域の)キリスト教徒たちが自他をどのように区別していたのかの解明の一助となることを目指す。
16:50~17:05 質疑応答

2023年度第20回学術大会の発表者を募集します

2023年10月28日(土)に第20回学術大会を開催いたします。
*今回は対面(東京大学本郷キャンパス)で開催されているものをzoomでもライブ配信する大会となる予定です。
*原則として午後の開催を予定しております。

発表ご希望の方は、仮題と200字程度の要旨を2023年8月31日(木)までにjsjsnews(アットマーク)gmail.com宛にメールでお送りください。
件名に「日本ユダヤ学会学術大会発表希望」と記載してください。
*受領のさいは、こちらから返信をいたします。(この返信をもって発表を認めるものではないのでご注意ください)

発表時間は発表者数によりますが、25~30分の予定です。発表をお願いするかどうかの決定は理事会にご一任いただき、結果は9月30日までにお知らせいたします。
非会員の方も会員のご紹介があれば発表できますので、お心当たりの方がいらっしゃればお声をかけてくださるようお願いいたします。

2023年度総会・シンポジウム

日時:7月1日(土) 13:00~17:50
会場:Zoomによるオンライン開催

【非会員の方向け:申し込み情報を追記しました】

※学会の会員以外の方で公開シンポジウムの参加をご希望の方は、6月30日(金)
の18時までに以下のサイトに必要事項をご入力ください。学会の総会が終了次第、
Zoomミーティングの情報をご入力いただいたメールアドレス宛てにお知らせいた
します。

https://docs.google.com/forms/d/1dIPG1iaotQLeqBvFhCHI_TSx00uiuC9ZEgwgb5dPwSs/edit

—————————————————————————-

総会(13:00~14:00)

公開シンポジウム(14:00~17:50)
「東欧ユダヤ史研究の過去と現在」

14:00~14:10 開会の挨拶:市川裕(東京大学名誉教授)

14:10~14:50 安齋篤人 (東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士
課程)
「戦間期ガリツィア・ユダヤ人の都市近郊農業とエスニック・マーケティング戦
略」
 本報告は,戦間期のガリツィア地方におけるユダヤ人の都市近郊農業を扱う。
近代に至るまで、ヨーロッパのユダヤ人は法的差別のために土地の購入を禁じら
れ、農業から疎外されていた。中東欧地域において例外的にユダヤ人の農業が発
展したのが、19世紀後半から20世紀半ばにかけてハプスブルク帝国及びポーラン
ド第二共和国の支配下にあったガリツィアである。同地域では、19世紀中盤の法
的解放の後にユダヤ人が土地を購入し、都市近郊農業という新しい農業ビジネス
を展開した。特に戦間期にはユダヤ人の食事規定(コシェル)を満たす乳製品が
都市部で販売されると共に、パレスチナなど海外市場への輸出も試みられた。本
報告ではこうしたユダヤ農業の特徴を、ポーランド第二共和国におけるガリツィ
アや諸地域の戦災復興と都市化、国際的な資金支援、固有の食習慣を維持する民
族的・宗教的マイノリティを対象としたユダヤ人農家のエスニック・マーケティ
ング戦略の3つの観点から分析する。(質疑応答10分)
14:50~15:00 休憩 (10分)

15:00~15:40 西村木綿 (名古屋外国語大学世界共生学部)
「誰が、なぜ、『ポーランドのユダヤ史』を書くのか」
歴史的ポーランドのユダヤ人についての近代的な歴史研究は、19世紀末よりポー
ランドのユダヤ人自身の手で開始された。WWII後、研究の中心はイスラエルと米
国に移るが、他方で1980年代以降のポーランドでは、主要大学を拠点に非ユダヤ
系ポーランド人によるユダヤ史研究が盛んに行われている。本報告では、それぞ
れの時期にどのような動機がポーランド・ユダヤ史研究を促したか、また、戦前
と戦後で担い手が変わる中で、研究にどのような変化があったのかを考察する。
(質疑応答10分)
15:50~16:00 休憩 (10分)

16:00~16:40 重松尚 (日本学術振興会特別研究員)
「リトアニアのユダヤ人に関する歴史叙述の変遷」
リトアニアの歴史を語る上でユダヤ人の存在は欠かすことができない。しかし、
従来のリトアニアの歴史叙述においては、民族的リトアニア人を主体とする歴史
叙述のなかでユダヤ人についてはほとんど触れられてこなかった。21世紀に入る
と、リトアニアが欧州統合を進めていく上で多文化主義が重視されるようになり、
これに伴いリトアニア・ユダヤ人の歴史も再認識されるようになってきている。
本発表では、リトアニアにおける主要な歴史書においてユダヤ人に関する歴史叙
述がどのように変遷してきたのか、その背景となる政治的動向も含めて論じる。
(質疑応答10分)

16:50~17:50 全体討議

2023年関西例会のお知らせ

2023年関西例会

日時:2023年3月11日(土)15時00分~17時00分
場所:オンライン開催(zoom)
*zoomのURLは会員に送付

15:00~15:05 開会の挨拶(市川 理事長) 

15:05~15:45 後藤 正英 会員
「ユダヤのフェミニズム思想 ―その神学的潮流」

ユダヤのフェミニズム思想は、ユダヤ教を構成する様々なカテゴリーの問い直しを通して、ユダヤ思想がもつ可能性を広げてきた。本報告では、特に現代アメリカのフェミニスト神学と呼ばれる潮流に注目する。この分野を代表するフェミニストであるレイチェル・アドラー(Rachel Adler,1943-)とジュディス・プラスコウ(Judith Plaskow,1947-)の古典的業績を改めて考察することで、ユダヤ思想全体の中でのフェミニスト神学が果たしてきた意義について考えたい。
15:45~16:00 質疑応答

16:00~16:40 長田 浩彰 会員 
「パレスチナ・ドイツ・ユダヤ人社会と雑誌Orient (1942-43)」

「信念からからここに来たのか、それともドイツから来たのか」。パレスチナでのジョークだが、正鵠を射ている。1931年時点でそこにいたドイツ出身のユダヤ人は1,181人とほんの一握り。つまり、シオニスト以外のドイツ・ユダヤ人はほぼいなかった。そこに41年までに約55,000人のユダヤ人がドイツから押し寄せた。彼らにとってそこは、新たなディアスポラであった。そこでの彼らの出版文化として、雑誌Orientの内容を分析する。
16:40~16:55  質疑応答